カエルとねずみと猫の噺 2008年05月24日00:14 これから書く話はほぼ真実である。 「Qua?」 今朝起きたら僕はカエルになっていた。 今日は待ちに待った落語家桂歌丸師匠の独演会の日。 カエルではまずいと思ったけど、 風邪や腹痛ではないのであたふたしてもしょうがない。 服を着て眼鏡をかけたら、 まあ人間にも見えなくない感じになったので、 電車に乗ってぴょこぴょこ寄席へと出かけた。 歌丸師匠の落語を聞くのは今日が初めて。 前座が座布団裏返して、師匠登場。 演目の発表がされていなかったのでどんな噺が聞けるのかすごい楽しみ。 高座に上がって照明の光の中にいる歌丸師匠の姿はすごくかっこいい。 笑点の歌さんとはまた違った顔。 70過ぎたおじいさんとは到底思えない。 一席目は『火炎太鼓』。 (内容省略) 「Qua.Quaqua」 歌さん、最高!! 噺の中に吸い込まれて、夢の中にいるみたいだった。 中入り後、二席目。 歌さんの発した言葉にドキッとした。 「左甚五郎」。 二席目は『ねずみ』という噺で、 江戸の彫刻家左甚五郎が寂れた宿屋のためにねずみの置物を彫る話。 先日の日記で僕がフリーマーケットにて猫の置物を 買ったという話は憶えているだろうか。 たまたま見つけたなんだか感じの良い猫の置物。 これには続きがあって、 何日か経って『ほぼ日』のみうらじゅん氏のコーナーで みうらじゅん氏が栃木県の話をしていて、 そこにこの猫と似たものの写真が載っていた。 それは『眠り猫』と呼ばれるもので、 日光東照宮の門の上の猫の彫刻である。 僕が買った猫の置物はこの眠り猫を模した工芸品だったのである。 「なるほど」と感心した記憶はまだ新しい。 そしてこの日光東照宮の眠り猫を彫ったという人物が あろうことか歌さんの口から出た人物その人「左甚五郎」なのである。 「Quaaaaa」そうきたか。 縁。 円、繋がった。 こういう事ってわりとある事かもしれないけど、僕は大事にしていきたい。 「旅に行きたい」が口癖のようになってきたこの頃、行き先は決まった。 この夏、日光東照宮に行かんとならんような気がしてきた。 行けばカエルから人間にカエルかもしれないし・・・。 「Qua.Quaqua」 歌さん、ありがとうございます。